腹部断面呼吸に慣れましょう。

腹部断面呼吸に慣れましょう。

前回は球体呼吸を軸に紹介いたしましたが、ここでは、その球体呼吸を土台にして、さらに発展させた断面呼吸をお話します。

 

断面呼吸はボイトレの急所となる部分です。ここでしっかり筋エリアの、なびき方をマスターしてしまいましょうね。

 

断面呼吸のヒント❶ 

呼吸をするには、左右1対の肺呼吸エンジンを備えた、空気(i)を貯めておくダムである胸部エリアを使います。

【詳しい説明】

息(iki)は(i+K)のセットで初めて能力を発揮します。

ところが、この胸部エリアは、筋肉系(K)が少ないため、呼吸だけをするにはもちろん問題がないのですが、発声パワーが引き出せません。

そのため今後、胸式呼吸は一旦棚上げして、腹式呼吸の話しをしていきます。

 

断面呼吸のヒント❷ 

参考図は、腹式呼吸のイメージ断面図です。横隔膜は腹部断面図の最上部に位置します。

【詳しい説明】

通常の浅い呼吸では、参考図の(Kひだり・Kみぎ)は離れ、深い呼吸では近づきます。

この左右のK点は、肩甲骨・臀部と連動します。

αの角度の調整を空気(i)の吸い込みによって操作出来るようになると、発声のメリハリ・表現力・説得力に磨きがかかり始めます。

 

断面呼吸のヒント❸ 

呼吸は声帯を境界にして内側(内系=肺・気道)と外側(外系=鼻孔系・食道・胃腸・肛門)に別れます。

【詳しい説明】

息を吸えば、吸い込んだ空気(i)は(外系から内系)へ移動し、息を吐けば、吐き出した空気(i)は(内系から外系)へ移動します。

発声呼吸では、Z軸(2022年3月30日のブログ内のをご参照ください)が内系と外系の境界です。

上の参考図にはZ軸は見えないように見えますが、図の中央の点を画面の手前から奥へ貫くように通っている線になります。

イメージは回して遊ぶ「コマ」です。

上の参考図では、『腹部側が内系』,『背側が外系』です。

感覚的には、息を吸えば、腹部がせり出し、背部が絞られる(αが0へ近づく)体感となります。

ちなみに、

 

Z軸=虚軸(Im=Image軸)=呼吸軸=体軸=背骨=呼吸境界軸です。

 

Z軸を横切る空気(i)のエネルギーが、声帯筋肉を振動させると「声の赤ちゃん」の誕生です。

この「声の赤ちゃん」を、立派な「おとなの声」に育て上げて、口から世に送り出すのがボイストレーニングの最終段階です。

このシーンは、後半戦のお楽しみに!

 

断面呼吸のヒント❹ 

上の参考図(これは断面図なのです)が、何重にも重なり、立体的に腹部が出来上がります。

【詳しい説明】

腹式呼吸は腹部全てを活用して、発声につなげます。

即ち腹部全てが声帯の代用に使っている訳です。

腹部筋肉を振動させるのは、息(iki)の調整です。従って腹部は、声帯部と同様に、(柔軟さ・りきみのない筋肉・自然体)が最重要課題となります。

このあたりが分かり始めると、声質の進化が自分でも感じ始めます。カラオケなら、メキメキ得点アップにつながります。