イチョウ葉チップ(その2)

イチョウ葉チップ(その2) 胸部における「息の移動」による骨振動

それでは次に、胸部を輪切りにして、「イチョウ葉チップ」をその隙間に当てはめるイメージを持ってみましょう。

「イチョウ葉チップ」の葉っぱ部分は体内エリアとなり、茎の部分は対外エリアとなります。

そのつなぎ目を垂直に背骨が貫いています。

息を吸うと背骨を経由して、胸いっぱいに息がぶつかります。ヨットの帆が風を受ける様子に似ています。

息を吸った時の風の方向(背中側➡胸側)を、ここでしっかり確認しておきましょう。言い換えると、息を吸う方向は(体外➡体内)です。当然ですよね。

息を吐く時の風の方向(胸側➡背中側)は、逆向きになります。即ち吐く息の方向は(体内➡体外)です。

この息の移動が、発声呼吸の基本です。

この息(風)の移動により「葉っぱと背骨」に、振動が起こり、発声が始まります。この段階で、背骨と声帯は同体とみなしても差しさわりはありません。

体感的には、呼吸に応じて「胸の膨張・収縮」及び「肩甲骨の開閉」が密かに起こっています。息に順応する様子を観察し、発声呼吸の繊細さに慣れていきましょう。

最初の段階として、この「イチョウ葉チップ」を何層にも重ねて行くと胸部空間と背骨が一体形成されます。茎の部分は、外部に突き出た単なる息の出入口として、発声呼吸の補助パーツと考えて下さい。

ここで胸部呼吸をしっかり確認しておきましょう。特に息の流れは、全身どこでも背骨中心の「イチョウ葉チップ」呼吸です。ここでの基本操作を理解し徐々に全身へ広げていきましょう。

発声呼吸の大原則は、息の流れに心身を委ねる事です。

筋肉で息を操作するのは、些細な筋力と言えども、許可されません。この事が分かり始めると、自分の声に、そよ風の「ゆらぎ」を感じ始めるとおもいます。但し、胸部だけの操作では、発声呼吸の完成形には繋がりません。腹部・頭部・脚部のトータル操作が必要となります。この後に続くブログアップデイトをお楽しみに!