ボイトレの実例第4話
畑川原バス停発の清瀬行きバスが清瀬駅に到着した。
バスを降り清瀬駅の北口階段を上り、改札へ向かう2人。所沢に向かう場面にスポットを当ててみよう。
B「今日も階段から行くのね。これでコーヒーの砂糖分エネルギー消費出来るのよね?」
N「勿論ばっちりだぞ。余裕が出てきたら足の指だけで歩くと、糖分過剰を気にしなくてもいいんだけどな。最終的には親指一本で歩く癖が付けばしめたもんだな。1000歩の散歩より10歩の親指階段上下で、腹筋まで生きかえっちゃうぞ!」
B「それってボイトレその物じゃないの?声って下半身パワーに頼るんでしょ?」
N「俺は親指歩きにひねりも入れてるから、パワーがさらにエコパワーになるぞ。」
B「なんか私死なないような気がして来たわ。」
N「だろう。お前、俺の登山趣味をアホ・バカ扱いしてたけど、けっこう健康寿命をいじくってくれてるんだよね~。」
そんな事をやり取りしつつ清瀬駅のホームに降りるエスカレーターに乗る。
N「今、登りのおじさんと交差した時、挨拶してたけど知り合いか?」
B「知らない人よ。ずっと私の顔見てたから挨拶返しただけよ。無視したら失礼でしょ。」
N「おいおい、知らない人に気を許しすぎると誘拐されちまうぞ。俺が付いてる時はいいけど。」
B「平気よ、その時は実年齢を言うから。この歳で私に怖いものは無いわ。」
N「真実は小説よりも奇なりか。」
そしてホームに入ってきた所沢行きの各駅停車に乗り込む。
B「私達いつも先頭車両に乗り込むのね。事故った時は激突してお陀仏ね。」
N「『息』の乗客になっちゃえば、心配無用。お客が一杯いても、一番前の壁にペッタンコになるだけだから。急発進なら後ろの壁にペッタンコ。どちらにしても前後にしか移動しないよね。ボイトレ呼吸も頭蓋骨と骨盤の方向に圧縮膨張が顕著に現れる事覚えといてね。」
B「という事は、息を吸えば背骨は伸び、吐けば背骨は縮むって事?」
N「息の流れは身体の中心軸である背骨に集約させても良いよね。もっと言えば骨ストローとして使っても何の差し障りもない。」
B「プロペ道り(所沢駅周辺の商店街)のケータイショップで子供に配ってた細長い風船が、息を吹き込むと長く伸びていくのと同じ仕組みかしら?」
N「おっ、無駄に歩いてないね。人の身体は、上下に細長いチューブ状だから、その時の子供用風船そのものだね。柔らかい風船ゴムの形状に見習うといいよね。但し、硬い骨を柔軟なゴム素材に融合する、自由奔放な脳みそ遊びで楽しんでね。」
B「鉄でできた電車がカーブを平気で曲がれるのって、背骨のカーブに似てない?」
N「いいところに気が付いてるね。背骨を電車の車体に見立てると、そのとおり。身体を貫いて走る背骨は中央線とみなせるよね。呼吸の急所だから、背骨と呼吸の連動操作は有効な発声練習になるぞ。」
B「コロナのせいで、電車の窓開いてるのって、発声環境よくないわよね?」
N「発声呼吸は息を閉じ込める事が最優先だから、背骨の窓(スキマ)は極力閉じに行くのは当然だよね。そのためには、息の吸い込みトレーニングが必要となるから、少し難しくなってくるよ。焦らずに意識していれば、ハイトーンに繋がるからね。」