· 

ボイトレの実例第7話

ボイトレの実例第7

 

 さて、まねきねこ(カラオケの店)に到着した二人は、エレベーターに乗り、3階の受付カウンターで何時ものようにoneドリンクのオレンジジュースと3時間予約を申し込む。

 部屋の機種はDAM Ai採点機能を選択する。ジュースをひと口のどを通すと準備はOK

 

 今日は、ボイトレカラオケの初日。ビブラートを課題としてカラオケを歌ってみる。2人が同じ歌を歌うのだ。

 

 今日最初の曲は「三代沙也可の貴船川」。

 

 B「1番最初って声出にくいわ。のどがリラックスしてないのね。歌えば自然にほぐれるのよね。今日のテーマはビブラートだから、取り敢えず脱力を意識して歌ってみるわ。」

 

~~~歌唱中~~~ 

採点参考値 (Bincoの得点87点 ビブラート56点)

 

 N「リキミは、ほとんど無かったね。今日はカラオケ店でのボイトレの実例初日なので、基本にかかわる観点から、突っ込みを入れてみるぞ。

 Bincoは椅子に座ったまま歌ってたよね。この姿勢だと両足は全く発声に不参加だよね。両足は胴体の土台である骨盤をしっかり固定する役目を担っているので、立って全身の体重を受け止めてほしいよね。この時、足の指を有効に使って、ブレを最小限にする意識は忘れないでね。」

 

B「私ここんとこスタミナ切れで、立って歌うのがしんどいのよね。歳だからね~。」

 

N「あ、そう言う事か。じゃあその代わり、座ったまま歌う時は背筋を反るように伸ばして、しっかりお尻の筋肉で骨盤を挟み込むんだぞ。

 更に息を吸う時は、スキマの締め込みはアップするから、背筋周りの筋肉は、脱力圧着を意識するといいね。」

 

B「脱力圧着って、声帯筋がそうだったでしょ。声帯筋のスキマは左右両側から筋肉で圧着されてるから、骨盤のスキマも左右から挟んで圧着させればいいのかしら。」

 

N「そこまで分かっていれば、座ったまま歌ってもいいかな。

 息で操作する脱力圧縮を忘れて筋力操作に陥らない様に。

 この辺は高い意識力が必要なんだよね。Bincoのような非力な人だと、お尻の下にゴム風船をクッション代わりに挟み込んでおくといい。脱力して風船を割りに行く時、自分の全体重が風船にのしかかれば、風船は破裂し易くなるよ。この時の脱力荷重を発声に連動させてやれば、脱力発声により近づくかもね。」

 

B「筋力操作では風船はなかなか潰れないのね。だからリキムとビブラートは出せないって事なのね。」

 

N「筋力を0にする意識操作で、ビブラート量をコントロールする事は今後必要となってくる。

 筋力を限りなく0に近づける意識トレーニングを欠かさないでね。

 数学的に言うと、力の+(プラス)操作ではなく、-(マイナス)操作にこだわって欲しいって事かな。+操作は-操作の反動で自動的に生まれるから、力む必要性は皆無と思っていいぞ。」

 

B「左右腹筋で密着しているスキマは、声帯のスキマと同じなのよね。力めばこのスキマは広がり、脱力すればこのスキマは密着し易いのよね。」

 

N「その通り。従って脱力密着したスキマから息を吸えば、密着度は増し、脱力してスキマへ息を吐き込めば、スキマ振動が起こるよね。この事が声帯筋のスキマで起これば、発声に他ならない。ついでだから言うけど、おならは立派な腹式呼吸。おならの音を変化させてみるのもボイトレになるから遠慮なくどうぞ!ビブラート名人になるかもね。」

 

B「という事は、おならを我慢する時は、お尻から息を吸い込んでる訳ね。そう言えば、その時お腹が膨らんだ感じになるわ。腹式呼吸で、息を吸ったらお腹が膨らむのと同じなのね。おならを一気に出すより、ゆっくり出す方が難しい気がするけど、これも発声とよく似てるわね。」

 

N「素早い呼吸、ゆったりとした呼吸、共にビブラートを意識しながらの発声に慣れるまでは意識練習あるのみ。楽しみながら遊んでやるのが、案外最短で結果が出るかもね。

氷のように固い意識ではなく、柔軟でしなやかなBincoのジョーク気質は、かなり良いサンプルかもね。」

 

B「私カラオケ終わった後、すっきり気持ちいい感じになるけど、おならやりまくった後と同じなのかな?。」

 

 

N「それは素晴らしい。アメージングボイスの兆しかもな。今ここで、おなら練習するなよ。俺が気絶したら、お前がカラオケ代払う事になるぞ。」