ボイトレ山9合目キャンプ第4話
腹式呼吸の完成を目指し、少しスタンディング休憩を取りながら深呼吸で全身の細胞へ新鮮な酸素を宅配しておこう。
この時の深呼吸は、大アクビをする感じで全身を反らし、口を大きく開いて喉の空間を最大限に開く意識で行うと声のキャパを増やすきっかけと成るんだ。
のどから上部のエリアは人体の9合目近辺だから、そのつもりで一歩一歩慎重な登頂を心がけようね。
ここではボイトレ山9合目に相当する身体頭部に対してのボイトレ流、心構えを再認識しておこう。
N「日本は火山国だから当然地震が多発する。息づかいの激しい火山噴火は、ボイトレに例えれば、大声でシャウトしているエネルギッシュなロックミュージックを感じるよね」
B「そんな例え初めてだけど間違いなくそうよね。近くで体験したこと無いけど、大音量の場面を想像出来るわね」
N「この時の大音量は勢いよく吹き出すマグマによって起こっている、たんなる自然現象だよね。そのエネルギー源は地中深くのマグマだまりにある。頂上近辺は一切何もしかけていない。腹式呼吸での発声にとてもよく似ているよね」
B「なるほど腹式呼吸にこだわる意味がわかってきたわ。頭部はマグマの動きに委ねているだけなのね。火山活動の爆発を頂上からは仕掛けていないわね」
N「かなり分かって来たみたいだね。でもほとんどの人の発声は、その自然方式に準じていないよね。その原因の主犯格は「舌」だ。舌は気道と食道を切り替えるためのリキム宿命を背負っている。だから「舌」をボイトレに参加させて舌の根っこから脱力させる練習が欠かせない」
B「という事は、舌は何時も力んだ状態でいる事に慣れきっている訳ね。そのリキミを取ってやるのがボイトレって事なのね」
N「そうだね。でも舌の動きって自覚できないよね。ボイトレが中々上達しない原因の1つになる所以だね。特に舌の根っこを緩め切るのはとても難しい」
B「私カラオケの採点コメントで、「舌の奥が持ち上がらない様に」と言われるけど、その事なのね。なかなか上手くいかないわ」
N「9合目の試練だからそれも楽しみの1つにするといいかもね。だらんとした大アクビや激しいうがいを遊び友達にして楽しんで見ては?」
B「なるほど、これからは、少し舌の動き意識しながら食事しなきゃね。味わうだけじゃ脳がないって事をこの歳になって気が付くなんて悔しいわ。多分10万回は無駄飯食ってたのね」
N「生き物は無駄の積み重ねで進化してるからそれ程悔しがることは無い。ただ無駄や失敗を無駄死にさせない事の方が重要だという事に気が付いて欲しいね」
B「私の88年間の無駄遣いも、それなりの練習で元本を取り返せるって訳なのね。9合目に来たことに感謝・感謝・感謝の道標一杯立てておくわね。この案内板を目にしたら健康長寿の在り難さに、きっと気付いてくれるわね。
N「お年寄りにしか湧いてこない意味深い発想だね。9合目の楽しみとして、ため息・アクビ・しゃっくり・舌つづみ・くしゃみ・おなら・どっこいしょ・息切れ・やっほう・ひそひそ・うめき・・・等を舌の脱力達成のために役立ててみては?」